ヨーヨーは、ひとりで技を覚えていくだけでも楽しいものです。ただ、もうちょっと知っているだけで、ヨーヨーの世界はグッと深くなり、よりおもしろいものになります。そんな、世間にはあまり知られてはいないヨーヨーの話を簡単にまとめましたので、読んでもらえるとうれしいです。
ヨーヨーは、何千年も昔から親しまれてきた遊びです。現在主流の「下で空回りするヨーヨー」やプロモーション手法は、約80年前のアメリカで始まりました。日本では1970~80年代に流行した「コカコーラヨーヨー」や80年代後半の「スケバン刑事」、90年代後半に大ブームを起こした「ハイパーヨーヨー」が有名です。(知らない人は保護者の方に聞いてみてください。おもしろい話がきけるかもしれません)そんなふうに、 ヨーヨーは多くの時代に、多くの世代によって楽しまれてきました。
1997年にバンダイが発売を始めたヨーヨーシリーズのブランド名が「ハイパーヨーヨー」です。2010年の今は「第3世代」のハイパーヨーヨーにあたります。ハイパーヨーヨーは、本物の競技ヨーヨーのメーカーが作っています。「バンダイが発売!」というと「子ども向けのおもちゃ」なんじゃないかと思う人がいるかもしれませんが、ハイパーヨーヨーは、実際に競技会で使用されるヨーヨーを作っているメーカー(ダンカン、ヨーヨーファクトリー、ヨメガ) が作っています。駄菓子屋やみやげもの屋の、300円ぐらいのヨーヨーとはまったく違う高性能なヨーヨーたちです。ハイパーヨーヨーの「トップスピナー(シュン・リュージ・レイ・タイガ・ゼロ・テイラー)」も、おもちゃ業界によくある「メーカーの社員が演じる作り上げられた適当なキャラクター」ではありません。彼らは世界大会などで活躍している選手や、長い経験を持つプロパフォーマーだったりします。(生で演技をみれば、すぐに本物だとわかると思いますが・・・)
ハイパーヨーヨーも、もちろんいいヨーヨーですが、それ以外にもすばらしいヨーヨーがたくさんあります。(それらでバンダイの認定をうけることはできませんので注意してください)ハイパーヨーヨーとして紹介されているブランド「ダンカン」「ヨメガ」「ヨーヨーファクトリー」も、ハイパーヨーヨーのほかにいろいろなヨーヨーを出していますし、それ以外にもヨーヨージャムや国内メーカーのヨーヨーリクリエーション、ターニングポイント、ヨーヨージョーカーなどのすばらしいヨーヨーがたくさんあります。しかし、安いだけのまともにプレイできないヨーヨーもいろいろなお店でみかけるかもしれません。その区別がむずかしいときは、ヨーヨーの専門店が各地にありますので、そこで相談・購入することをおすすめします。
全国各地で、いろいろな練習会やヨーヨークラブがボランティアで開催されています。無料だったり、数百円の会場費だけで参加できる集まりばかりですので、一回遊びにいくとおもしろいと思います。うまい人もいますので、できないトリックやメンテナンスなどわからないことも教えてくれます。「ヨーヨー仲間」を作るいいチャンスです。ぜひ活用してください。
バンダイのハイパーヨーヨーには、すべて「JYYA(ジャパン・ヨーヨー・アソシエーション)」の公認ヨーヨーと書いてあります。テレビや新聞などでも 「日本ヨーヨー協会(誤訳名)」と紹介されることもあります。しかし、残念ながら「JYYA」はバンダイが公式感を出すためにその名前をメディアで使用したり、バンダイの下請けの会社がJYYAとして「デモンストレーター派遣業務」を行っているにすぎません。大会を運営したり、プレイヤーの活動を支援する団体・協会ではありません。基本的に、「バンダイが数多く所有する商標のひとつ」と思ってもらえばいいのではないでしょうか。
「じゃあ日本にはヨーヨーの団体はないの?」というと、そういうわけでもありません。実際には「一般社団法人 日本ヨーヨー連盟(JYYF)」 が、世界大会やアジア大会のシード権をかけた競技大会を開催しています。参加者は15~30歳ぐらいが多く、子どもの遊びのイベントというよりは、スポー ツの競技会に近い雰囲気・熱気があります。競技はフィギュアスケートのようなフリースタイルとよばれる自由演技で行われ、プレイヤーはその難易度や表現力を競い合います。世界大会・アジア大会には、通常20カ国近くの選手が集い、競い、交流をして、お互いに健闘をたたえ合ったり、技術を交換したりしています。
バンダイ「ハイパーヨーヨー」のルール・イベント・ラインナップの中で遊ぶのも、とても楽しいと思います。ただ、実際のヨーヨー業界はもっと大きく、そしてエキサイティングです。ぜひ、その広い世界ものぞいてみてください。いままでにはなかった景色が広がっているかもしれません。
当サイト「GIOY」に上記に関する詳しい情報を掲載しています。また、GIOYから紹介するサイトにもいろいろな情報がありますので、ぜひ一度ご覧ください。
ナショナルヨーヨーマスター 三居 弘典(みい ひろのり)
2010年4月6日(2010年7月10日修正)(2011.7.20更新)
*ヨーヨーの歴史をまとめていられる皆様、ハイパーヨーヨー担当のバンダイの皆様、もし、実際の歴史や事実と異なる部分がありましたら、左の「問い合わせ」から一報をお願いします。私、三居が、事実だと信じられる範囲で削除・修正・加筆いたします。