ヨーヨーの基本知識
ヨーヨーをするにあたって知っておいた方がよいヨーヨー自体の基本的な知識をまとめました。
上級編1~3は参考程度に読めばOK。
1.ヨーヨー各部名称
名称 | 説明 |
ボディ | ヨーヨーの本体。メインパーツ。素材はプラスティックやアルミ、木などいろいろ。 |
リムウエイト | 外周部にあるおもり。金属やゴムなど材質はいろいろ。ない場合も多い。 |
キャップ | 表面にあるロゴが入った部分。吸盤ではずせる。(ヨメガ社のヨーヨーははずせませ ん) |
ボールベアリング | アクセルとストリングのあいだにある近代ヨーヨーのコア。金属の小さなボールを2つ の金属のリングではさみ封入したもの。摩擦を軽減しスリープを長くする。最近のヨーヨーにはだいたい入っている。サイズはいろいろある。小さいけど高価な のでなくさないように。シールドをとった中身の写 真 |
アクセル(軸) | 2つのボディをつなぐ金属の軸。メーカーによって種類はいろいろ。 |
スペーサー | ボディとボールベアリングの間にある金属の板(パーツ)。種類によってあったりな かったり。 |
スター | ヨーヨーを戻るようにするためのギザギザの部分。種類もいろいろ。 |
フリクションステッカー | スターの代わりにヨーヨーを戻すためシール。ゴムが付着した黒い布。消耗品なので交 換が必要。(ターボディスクという薄い布状のタイプもあります。) |
トラピーズ有効幅 | トラピーズをしたときにストリングがかかる幅。広ければ広いほどストリングがかかり やすい。 |
スリット(ギャップ) | ボディの間のストリングが巻き付く溝。溝自体をスリット、溝幅をギャップというのが 一般的。ギャップが広いとすべりがよくなるが、もどりが悪くなる。せまいとその逆。最近は、ギャップ調節可能な機種も多い。 |
ストリング | 糸。ヨーヨーとプレイヤーをつなぐ大切なもの。マメな交換とヨリの調節が重要。 |
フィンガーホール | 指を入れる穴。最初にある輪っかには指を入れずに、フィンガーホールを作るように。 |
上級編1: 重さとリムウエイトとスリープの関係
基本的にヨーヨーは重い方が長くスリープします。重い方が回転の慣性力が強く摩擦に打ち勝てるためです。しかし、ただ重いだけでは、あまり効果は高くあり ません。おもりは最外周部にあるときに最大の効果を発揮します。フライホイール効果と言われるものですが、重量が外側によればよるほど、回転物は安定する というもの。そのため、最近のヨーヨーは金属のリムウエイトを外周部に付けているものが多いのです。しかし、ヨーヨーが安定する(回転物にかかるジャイロ スコーピックスタビリティが強い;回転物が回転の面を保とうとする力が強い)ということは、反転をしにくいということ。みなさん知っていますか?ループを すると、ヨーヨーが手元で半回転していることを。ということは、つまり、スリープが長いヨーヨーはルーピングには向かないということ。だから、いろいろな 種類のヨーヨーがあり、今も開発・研究をされているんです。
2.ヨーヨーの形状と種類
1.インペリアルタイプ 2.ノーマルタイプ 3.バタフライタイプ 4.ワイドバタフライ 5.オフストリングタイプ |
シェイプの種類 | 説明 |
インペリアル | 全体的に丸く、トラピーズ有効幅がほとんどない形。昔からのデザインで、一般になじ みのある形。 ダンカンのクラシックヨーヨー「インペリアル」が、その名前の由来。 |
ノーマル | 内にも外にもよらない形。レイダーやバンブルビーがこれにあたる。ストリングトリッ クもある程度はできるが、ルーピングトリック専用として使われることが多い。 |
バタフライ | つづみ型でトラピーズ有効幅が広くストリングトリックに適したタイプ。ルーピングト リックもできなくはないが、やりやすくはない。インペリアル同様、クラシックダンカンの「バタフライ」が語源。 |
ワイドバタフライ | 最近のストリングトリックブームに合わせて発売され始めた形。ヨーヨージャムの人気 機種がこれ。トラピーズ有効幅が3cmを超え、完全にストリングトリックに適応。しかし、ルーピングトリックは全くといっていいほどできない。 |
オフストリング | オフストリングトリックに合わせて、ゴムのウィングがついたタイプ。そのため、落と しても壊れにくくなっており、幅もかなり広め。 |
上級編2: シェイプとループの関係
インペリアル、ノーマルタイプはルーピングがしやすく、バタフライタイプはストリングトリックに向いています。バタフライタイプがストリングプレイに適し ているのはトラピーズ有効幅と上で説明したフライホイール効果の関係だということわかりますよね。では、なぜ、インペリアルやノーマルタイプの方がルーピ ングに適しているのでしょう?それは、反転のしやすさとエッジにあります。エッジとは、ボディのスリット側にある、角張ったところといってもほとんど丸い のですが、バタフライタイプに比べれば、山がありますよね?ストリングがルーピングトリックをするときにエッジに当たります。そうすることによって、指の 細かな動きをヨーヨーに伝え、傾きを調整しているのだと言われています。反転のしやすさは、上で説明したとおり、ループは半回転を必要としますので、球状 に近い方が横回転はしやすいですよね。というわけで、重さとリムウエイト同様、トラピーズ有効幅とエッジ、フライホイール効果と反転のしやすさは、両立し えないものなんです。そのため、ルーピングヨーヨーと、ストリングトリックヨーヨーと分かれるんです。
3.アクセルの種類と特性
フィクストアクセル (固定軸) |
トランスアクセル (ナイロンベアリング) |
ボールベアリング (小径) |
ボールベアリング (大径) |
軸の種類 | 説明 | 代表ヨーヨー |
フィクストアクセル (固定軸) |
昔ながらのヨーヨー。木や金属でできたただの棒。そのまわりをストリングが一周することによってスリープを実現。1930年 ごろからの古いタイプ。このタイプのほとんどがねじって開けられない。しかし、いくつかは、軸の交換ができるものも。一般的に値段は安め。 | ダンカンクラシック BCヨーヨー |
トランスアクセル (ナイロンベアリング) |
金属の軸にナイロン製(金属の場合も)のリングを搭載。それによってストリングと軸の摩擦を軽減。軸とナイロンリングが擦れ るので、こまめにオイルをつけなければならない。値段は比較的安め。 | ファイヤーボール ブレイン プロファイヤー |
ボールベアリング (小径) |
金属の小さなボールを2つの金属のリングではさみ封入したリング、ボールベアリングを搭載。摩擦をほぼなくしスリープを格段 に長くする。最近のヨーヨーはほとんどがボールベアリング搭載。値段は若干高め。 | レイダー アクエリアス |
ボールベアリング (大径) |
2001年終わり頃からヨーヨージャム社が投入してきた。大径ベアリング搭載ヨーヨー。もどりを犠牲にして格段のすべりを実 現。 | パトリオット ジャム金属リム |
上級編3: ベアリングの直径ともどりとすべり
昔から言われてきたことですが、ベアリングの径が小さいほうが回転数は高くなり安定します。実際、ストリングの巻かれる数は、直径が小さい方が多く巻けま すよね?そうすれば、同じストリングの長さの場合、巻き数が多い方が回転をより多く加えられ安定します。でも、最近、上級者の間で大径ベアリングが人気な のはなぜでしょう?それは、すべりがいいから。すべりとは、「ストリングをスリットにいれた状態でどれだけヨーヨーがスムーズにストリングの上をすべる か」というもの。大径ベアリングの場合、ストリングがボディに当たる面積が減り、すべりが上がります。そのかわり、ストリングを巻くための摩擦も弱いため もどり(ヨーヨーが手を引いたときにどれだけに素早く確実に戻ってくるか)が悪いのです。その点は、バインド(通称ひっかけもどし)と言われる技術を使っ てもどすので上級プレイヤーには大径ベアリングが好まれます。さらに、回転数が低いという欠点は、フライホイール効果の強いバランスのよいヨーヨーに搭載 することによって補われています。結論として、初・中級者には、小径ベアリングをおすすめします。もどりがよく、回転も強く安定する方がヨーヨーの基本性 能としては優れていて扱いやすいはずです。大径ベアリングのヨーヨーは、難易度の高いストリングトリックに挑戦するときに使用してください。
4.ストリング向けとルーピング向けの要素
ストリングトリック向け | ルーピングトリック向け |
すべり良・もどり悪 | すべり悪・もどり良 |
重い | 軽い |
バタフライシェイプ | インペリアルシェイプ |
ギャップ広め | ギャップ狭め |
オイルなし(ドライベアリング) | オイル堅め |
大径ベアリング | 小径ベアリング |
極端な例は、引いても全くもどらないヨーヨー。そうなると、バインド(ひっかけもどし)が必要になります。最悪の場合、ス カってスリープをろくにしないどころか、ケガや、腕の故障の原因となる場合も。 | 極端な例は、ループ中の回転が安定しないヨーヨー。手のちょっとの動きに敏感になりすぎて、コントロールがしにくくなりま す。戻りがよすぎると、スリープしなくなる場合も。 |
*スカる:ヨーヨーを投げたときに、スターとストリングの絡みが弱く(抵抗が少なく)、ストリングの先(ヨーヨー側)10~20cm で、ヨーヨーに回転が加わらずスカッと落ちる状態。ギャップが広すぎたり、スター(フリクションステッカー)が弱すぎるとなる。ヨーヨーが回転せずに落ち るため、腕に予想以上の負荷がかかります。コントロールも取りにくく、さらに、ムリに巻くと、からむ場合が多く、ケガの原因にもなります。スカった状態で ヨーヨーを使うのは、絶対にさけてください。